断熱材について
みなさんこんにちは。 寺久保です。
今年ももう残すところ1か月となりましたね。
今日(12/1)今年の流行語大賞が発表されました。
今年は 「3密」 になりました。
確かに今年は1年中コロナのことばかり気にしていたような気がします。
新語流行語ですが来年はこの言葉が廃ってくれることを祈るばかりです。
さて、話は変わりまして・・・
以前のブログで紹介しましたが、当社の社員の住宅を建築しています。
現在内装工事中ですが、それ以前の工程で行いました「断熱材」
今回はその断熱材について少し話をしようと思います。
こちらは断熱材が入っている状態です。↓
こちらは他の現場になります。↓
冬暖かく、夏涼しい。心地よく快適に、健やかに過ごせる住まい。
その住み心地に大きくかかわるのが断熱性能ですが、断熱材の種類はとても多く、特徴も様々です。
しかし、その目的や働きはすべて同じで、「小さな隙間」にできるだけ「たくさん」の空気を閉じ込めること。
断熱材の性能は熱伝導率(熱の移動の程度を表す数値)で表され、この数値が小さいほど熱が伝わりにくく、つまり
高性能な断熱材となります。
先ほど小さな隙間に空気を閉じ込めるといいましたが、
実は空気は塩ビ・樹脂やガラス、木材よりも断然に熱を伝えずらい物質になります。
アルゴン・・・熱伝導率:0.016
乾燥空気・・・熱伝導率:0.0241
乾燥木材・・・熱伝導率:0.15~0.25
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鉄・・・・・・熱伝導率:83.5
ちなみに空気の上は真空、アルゴンガスになります。
熱を伝えやすいのが金属系になります。
この時期暖かいコーヒーを飲もうとするとコーヒースプーンはすぐ熱くなりますね。
空気は気体ですのでなかなかイメージしづらいですよね。空気と言っても夏は熱く、冬は冷たくなります。
実は空気が移動(対流)することにより熱が運ばれます。(ほかにもいろいろ要因はありますが長くなりますのでここでは一例だけにします・・・)
冬場は冷たい空気が移動してくることにより、その温度が物質に伝わり、部屋の温度が下がっていきます。
ですが空気は移動しなければ熱を全然伝えないのです。
ほとんどの断熱材は、内部にできるだけ小さな隙間に空気を含むことができるように加工してあるわけです。
小さな隙間を内部にたくさん抱え込むことで、基材の熱伝導率と空気の対流を抑制しています。
ダウンや羽毛布団をイメージして頂くとわかりやすく、動かない空気層をたくさん身の回りに集めて、熱を通しにくくすることで体温を閉じ込めています。
空気が動かないからこそ外は寒くても中は暖かくなるわけです。
※フリー画像
木材でも樹種によって異なりますが、密度がすごいある物質よりもスカスカな物質の方が熱を伝えづらいのです。
ただその隙間にある空気が移動(対流)してしまえば熱が伝わってきてしまいます。
断熱はなかなか奥が深いですよね。
断熱材はいろいろあり、情報もあふれていて、、。ややこしいですが、シンプルに断熱材の目的と原理をなんとなく掴んでもらえたらいいなと思います。
空気を動かさないように閉じ込めて家を覆い、熱を伝えない。
2層のガラスに空気やガスを閉じ込めた窓は、熱を伝えないようにして冷暖房の利きをよくするためで、住宅でも同じような複層窓が主流になってきました。
そしてこの断熱性能を十分に発揮するのに必要なのが「気密性」になります。
この「気密性」についてはまた長くなりますので次回に機会があれば紹介させていただこうかと思います。
断熱について掘り下げていくと、学生の時に習った暗号のような、難しい物理の数字とか粒子概念の話になっていきます。
当時は嫌いでただ覚えていただけでしたが、知識は繋がり今は面白いと思えるので、ちゃんと勉強しとけ。
と昔の自分に言いたいです(笑)